なかなか面白く無い事態である。
「貴様の拠点だけサービス残業を無くしたからどうだっていうんだ?」
他の拠点も同じようにサービス残業を撤廃すればいいと思います。
人件費のダンピングの先に正しい企業活動があるとは思えません。
「サービス残業撤廃という名の元に業務水準を落としてどうするんだ?」
業務の取捨選択はこちらでやっています。
その捨てた業務に関して水準が落ちたというのであれば、
見直しをかけ、社の求める状態に仕上げます。
申し訳ございません。
「君の店から輩出される人材は飼い殺された人材だけになるぞ?」
サービス残業があるから自分の部下が辞める。
なんていうのは今後間違いなくありうる事態で、
それに対して戦う術を部下に与えています。
「部下は引きずり回せ。おまえが作業をするな。マネージャーだろう。ワーカーじゃないんだ。」
だからマネジメントしているんですよ。労働時間を。
正しい形で企業活動をしているのならば僕のこのマネジメントは必要性がありません。
「今までそうやって君たちは育ってきただろう。」
ええ。だからこそ変えなきゃならないんですよ。
僕や副店長が歩いてきたこの道は汚れきっているんですよ。
舗装された綺麗な道路を部下には歩かせてあげたい。
彼らが進むに何の障害も無い綺麗な道路を。
「…オレの言う意味はわかったんだな?」
ええ。ええ。とても。よくわかりました。
どれだけ諭されようと腹に落ちん。
戦っちゃいけないのかこのフィールドで。
自分がやってきたから正しいなんて思った時点で後退開始じゃないか。
でも今、僕が店舗で一言発すれば解決する話だ。
だからこそそれを言えって意味だろうなぁ。
「すまん。オレが間違ってた。」
って。
言いたくない。言いたくないぞ。
言う日はたぶんアレだな、
オレが店長を降ろされる日だな。