決まったら考えるよ。

思いついたことそのまま書く。髭剃り、読書、仕事、考えたこと、調べたことを備忘録代わりに。慶應通信で大学生もやっています。

モンハンを仕事の肥やしとして役立てる努力をしたけど失敗した話。

今週のお題「ゲームの思い出」

10年程前、僕がとあるパチンコ店の最前線で現場監督として働いていた頃、S君が新卒として入社してきた。とても仕事の覚えが悪く、要領も悪く、喋り方はハキハキの正反対で、教育係を任せられて非常に困ったのを今でも強く覚えている。


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パチンコ店の現場

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今から10年程前は、「各台計数システム」と呼ばれるようなその場で玉の計数が出来るシステムなど普及しておらず、ランプで呼ばれたらお客様の箱を変え、また違うランプで積み上がったドル箱を運んで中央通路に設置された計数機に銀玉を流し込み、その計数機が吐き出した数値とバーコードが書かれた感熱紙をお客様にお返しすると汗が一筋伝ってくる…そんな肉体労働だった。そしてそれなりにお客様が多い店舗だったので、効率良く対応するにはチームワークが必須だった。

溶け込めない=チームワーク発揮が難しい

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 ハキハキと喋れないS君はスタッフ間のコミュニケーションも当然うまくいかず、それに起因してチームワークもうまく発揮することが出来なかった。そしてそのチームワークを発揮することができない為に現場の他のスタッフの負担は不公平になり、またそれに起因してチームワークが乱れる。S君が居ると業務が大変になる…そんな思いがみんなに広がり、S君はバッドスパイラルに突入するのだった。

解決するにはどうしたら良いのか

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 教育係としてこの状況をなんとかしてやらねばならん、という訳でS君と面談をした。といっても当時の僕が面談スキルなぞ持っている訳でもなく、何を話て良いかわからなかったので、最近ハマっていることとかそんな下らない話からスタートして、彼とコミュニケーションを深めることにだけを目的を置いた浅い面談であったが。20分くらい倉庫の片隅で話していただろうか、「最近の生活リズム」とか、「好きな食べ物」、「苦手なお客様の話」やら、「苦手なスタッフの話」などなど。S君が一番目を輝かせ、ハキハキと語ったのは「モンスターハンター2G」の話題だった。

そして夜な夜な開催されるモンハン会

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 当時、僕も多いにハマっていたのでちょうどよかった。それにS君はG級クリア済みで、僕はまだ下位をうろちょろしていたくらいと、仕事の立場と正反対なのもまた素晴らしい。僕は職場内でモンハンをやっている人間とS君を集め、夜な夜なとあるファミレスでモンハン会を開いた。S君は本当に輝いていた。職場内のモンハンメイン層はまだ操作もおぼつかないレベルの下位の人間ばかりだったので、S君はモンハン会では「先生」と呼ばれ、まばゆいばかりの光を放っていた。

そして試されるチームワーク

 夜な夜な開かれるモンハン会を通じて職場内の人間とS君のコミュニケーションは活性化、普段の仕事でも活かされ始めた。多少S君が失敗しようが、「あとでティガマラソン付き合ってくれるなら許してあげますよwww」などの戯言とともにカバーされ、「先生本当に仕事だと使えねぇwwww」と非常に辛辣な言葉を投げかけられてもホールは嫌な空気にはならない。素晴らしい。モンハン会を開いたのは大成功だった。そう僕は思った。しかしなんだろう、体のこの重さは…。

気付いた真実

 モンハン会で確かにコミュニケーションは活性化したし、そのコミュニケーションからチームワークは発揮されていた。しかし「S君と居ると業務が大変になる」という状況はさらに加速し、職場内の人間の体力を奪っていた。そりゃそうだ。S君の職能はほぼ向上していない。失敗しても冗談で笑って済まされてしまうので反省もする必要がない。そして笑いながらカバーしている仲間には以前より激しい疲労が蓄積していく。そして文字通り夜な夜な開催されるモンハン会で睡眠時間は奪われ、体力とSAN値ガリガリと削られていく。「これ、違うバッドスパイラル入ってる」

その後のS君

 S君は1年ほど働いて、辞めた。家業を継ぐとかなんとか言っていた。その決断をした理由は詳しく聞かなかったが、「モンハン、楽しかったです!」と最終日に笑いながら言っていた。仕事のこと言えよ。ありがとうございましたくらい言えよ、とか色々と思ったけど、「またモンハンしよーな。」と言って別れた。しかし、僕のPSPに記録されている彼のギルドカードはそれ以降二度と更新されることは無かった。コミュニケーション能力は必要だけど、それはゲームという違う世界を通じて活性化させても仕事に活かすのは簡単ではない、という良い勉強になった話。おしまい。

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