決まったら考えるよ。

思いついたことそのまま書く。髭剃り、読書、仕事、考えたこと、調べたことを備忘録代わりに。慶應通信で大学生もやっています。

住宅ローン、控除による還付金を利用した繰り上げ返済のタイミング考察

先日、珍しく地に足のついた記事を投下した。


www.siuso.online


人間は必要にかられると柄にも無いコトをするもんだなぁと自分のことながら思った。元々「どっちがお得か?」なんていうくだらない計算は嫌いじゃないんだが、ここまで実生活にヒットするもののことで考えたのは初めてかもしれない。そして、考えるのであればもう少し突っ込んで考えてみる。


今回は、住宅ローン控除を利用した繰り上げ返済のタイミングに関する考察。 ※2018年9月9日 記事内に誤りがあった為若干追記



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きっかけはパッション屋良(に似てる人)

 僕の上司はパッション屋良に似ている。パーセンテージにすると30%くらいだろうか。上司と共に行く客先で「エビバデパッション♪」とボソッと言っても相手が噴き出すのがそのくらいという割合という感覚から定量化している。

 で、そのパッション屋良に似ている僕の上司(以下「P部長」という)は最近家を建てた。その家は注文住宅で、何から何まで自分で決めるというのはかなりの苦痛だった、そして家での不満が全て自分で決めたことに起因するので自分の無能っぷりに対して腹が立つとかなんとか言っていた。(P部長は仕事ではとても優秀である)また、なんだかんだで「一生に何度もある買い物じゃないから」という理由でかなり金額的には奮発して建てたらしく、月間の返済額もそれなりに多く、将来に対して不安が残るとのことだった。そしてその将来の不安を具体的に聞いてみたならば…


「還付金で繰り上げ返済をしたいが、どういう考え方で返済進めれば良いかな?」


ということだった。なんだよすげー堅実だな。ンーッ!とか勢いでなんとかしてほしかった。


前提条件の設定

ちょうど変動金利と固定金利の計算をしていたということもあり、ちょっと突っ込んで前提条件を設定。そこから算出してみることにした。

  • P部長借入総額は45,000千円とのこと。すげーな。
  • 金利は変動で0.48%。複雑化するのでずーっと同じ金利で試算。
  • 繰り上げ返済は全て元本にヒット、手数料は考慮しない*1
  • 繰り上げ返済原資は「住宅ローン控除(年末調整分)」
  • 考察対象は「還付がある度に返済」と「還付が終わったらまとめて返済」
  • 毎年年末にローン残高1%の還付があるものとする*2
  • 繰り上げ返済効果は「月額支払の減少」として顕在化させる*3

このあたりかな…。という訳で試算開始。


毎年還付がある度に返済するときと、一切繰り上げ返済しないときの比較

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 毎年12か月目に住宅ローン控除による所得税の還付額が入り、その翌月にその全額を繰り上げ返済に回すパターン。そしてその繰り上げ返済効果は「月額支払の減少」という形で顕在化させると上表のとおり。右上赤枠、「総額差異」の部分に記載があるのが「毎年繰り上げ返済することによって『得』となった(つまり享受した)支払総額の差異」となる。毎年還付額3,681千円をそのまま返済に回して10年間で得られる支払総額の差が270千円て…意外と少ない気がするなぁ。これを投資効果と見なして利率計算すると…年利0.7%相当の投資。まぁ貯金しておくよりはマシか。


繰り上げ(毎年) 繰り上げしない 差額
繰り上げ合計 3,624,848円 0円 3,624,848円
支払月額 105,256円 116,416円 ▲11,160円
支払総額 48,624,848円 48,894,769円 ▲269,921円


月額支払の減少ってそんなに大きな効果にはならんのな…。まぁ良いや、次。


毎年の還付を貯めて、還付最終年度にまとめて返済

 こちらのパターンは毎年12月に住宅ローン減税の還付金は受け取るけれど、それをすぐに返済に回すのではなくプール。フルに還付を受け取ってからまとめて返済をするというパターン。これを考える意味は「住宅ローン減税の還付金額は年末時点の残高に比例する(1%)」という条件だから、残高を出来うる限り最大に取るということ。また、ケインズの雇用と利子の関係から言葉を借りるのであれば、予備的動機ってやつだ。試算は下表。


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繰り上げ(最終) 繰り上げしない 差額
繰り上げ合計 3,839,537円 0円 3,839,537円
支払月額 102,789円 116,416円 ▲13,627円
支払総額 48,659,822円 48,894,769円 ▲234,947円


うん。やっぱり還付金の合計額が先ほどの毎年返済のケースと比較してやや大きい。そして繰り上げ返済後の支払い月額に関しては少し面白い結果が。これ計算間違ってねぇか?w

 とりあえず比較。


それぞれのパターンの比較とまとめ

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というこで比較したものが上表。毎年還付金を返済した方が支払総額は160千円弱安くなる。そらそうだ、借金は早く元本減らせば支払利息は減るからね。しかし興味深いのは支払月額。最終年度の支払月額で比較しているからとはいえ、まとめて返済の方が安くなるんだなぁ。

 という訳で最終的な結論としては、

「毎年還付金貰ったらそのまま全額返済するほうが、還付金を最終年度まで貯めて返済するよりお得」

というものになる。P部長には「還付金全額をそのまま毎年繰り上げ返済した方がお得っぽいです。手数料とかは考えてないですけど」と、役に立つような立たないようなレベルで伝えることにする。

存在する逆転の可能性

 今までの記載で基本的な考察は完了。机上ではあるが結論は「毎年そのまま繰り上げ返済のがお得だよ。」である。しかしこれは予備的動機で貯蓄された還付金の貯留額が一切運用されていなかった、かつ、貨幣価値も一定だった。という前提条件下でのみ成り立つ。乱暴に言い換えれば、

「還付金合計額である3,839,537円を運用し、最終的に159,024円以上の運用益が発生するのであればまとめて返済する方が得」

ということである。ではその運用益を叩き出す為にはどれくらいの利率で運用すれば良いのか。で、複利計算した結果がこちら。

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上表、運用利率列が該当、つまり「年利0.190%以上で運用出来るのであれば還付金をまとめて返済の方がお得」という結論になる。高いネット銀行とかならこの程度は預金金利でも行けそう(その利率を適用する為の条件は色々あるのかもしれないが)

日経インデックス型の投資信託でも買って突っ込んでおけばなんだか達成できそうな運用利率だが、それは今後の日経次第。ウォール街のランダムウォーカーじゃないけれど、突き詰めれば日経も猿のコイントスと変わらないからねぇ。ちなみに僕の株式投資実績は絶賛マイナス金利状態です。日銀リスペクト、日銀リスペクトだから(´;ω;`)ブワッ


ウォール街のランダム・ウォーカー―株式投資の不滅の真理

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*1:この手数料が銀行側の食い扶持なので本来は無視してはいけないのだが

*2:源泉徴収済みの所得税額にもよるが、部長なのでそんなのぶっ飛ばすくらい給料をもらってるはずなのでこれで良い

*3:支払期間の減少も選択できるはずだが、条件が複雑化し過ぎる為、本試算に関しては次回以降に

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